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気を付けたい子どものスマホ使い過ぎ、治療も思わぬ高額に

経済とお金のはなし 織瀬 ゆり

気を付けたい子どものスマホ使い過ぎ、治療も思わぬ高額に

【画像出典元】「stock.adobe.com/Seventyfour」

オンライン学習はもちろん、暇つぶしや調べごとなど常日頃からスマートフォンやタブレットをはじめとしたデジタルデバイスを活用している人も多いでしょう。

しかし近年、長時間デバイスを見続けることによって発症する「急性スマホ内斜視」になる子どもの数が増加傾向にあると言われています。

今回の記事では私の実体験を元に、スマホの使い過ぎによる子どもの斜視や治療費用、助成制度について紹介します。

子どもに増えている「急性スマホ内斜視」

私たちの生活に欠かせない、スマートフォンやタブレット。適切に使用していればそれほど大きな問題を起こすことはありませんが、近年子どもを中心に「急性スマホ内斜視」が問題になっています。

「急性スマホ内斜視」とは、スマートフォンやゲーム機等のデジタルデバイスを長時間、近距離で見続けたことが原因で「急性内斜視」を発症することです。急性スマホ内斜視になると目のピントが合わせられなくなり、物が二重に見えることに加え、ひどくなると視力低下の要因にもなってしまいます。子どもの場合、本人が症状を自覚しづらいことに加え、時間が経つと自覚症状として感じにくくなり、発見が遅れてしまうケースも少なくありません。

一方で、今秋にリリースされる「iOS 17」「iPadOS 17」ではデジタルデバイスによる目の疲れを懸念し、「Screen Distance」機能が搭載予定です。Screen Distanceとはデバイス使用者の顔が長時間ディスプレイに近づいている場合、警告が表示される機能のことです。子どもの目の健康を守るためにも、手持ちのデバイスが対応しているようであれば、この秋から導入を検討してみるとよいでしょう。

子どもの内斜視は気づきにくい

眼科にかかる女の子
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実は先日、私の3歳の息子が「急性内斜視」と診断され、メガネ治療がスタートしました。両目とも遠視になっており、近くの物も、遠くの物も、ピントが合うまでにすごく時間がかかっているそうです。息子の場合、急性スマホ内斜視ではなかったものの、子どもの内斜視はこんなに気づきにくいのかと身をもって知るきっかけにもなりました。

子どもが小さければ小さいほど自分で違和感に気づくことは難しく、周囲が気づいたときには症状が進んでしまっているケースが多いそうです。息子の場合も、普段のように朝起きてきたら左の黒目だけが内側にぐっと入り込んでおり、夫と共に「なにかおかしい・・・!」と感じたのが発端でした。

思ったより高かった治療用メガネ

子どもが小さいうちに急性内斜視と診断された場合、視線の向きを矯正することを目的としてメガネ治療に進むケースが多く見受けられます。息子も眼科で治療用メガネを購入したのですが、治療用メガネの価格は3~5万円(※)ほどで、想像以上に高価なことに驚きました。
※レンズのグレードによっても異なります

また、急性内斜視や弱視などメガネ治療は少しでも長い時間かけ続けることが欠かせません。「万が一、息子がメガネを壊してしまったら…」と考えると1本では不安が残り、予備用として2本購入することに決めました。

治療用メガネの相場を聞いて、なかなか高いなと感じた方も多いかも知れません。実際、私もそのように感じた1人でしたが、子どもの治療用メガネは購入費の助成(補助)が受けられることを眼科医の先生から教えてもらいました。
続いて、助成金について紹介します。

子どもの治療用メガネの購入費助成とは

メガネを作成する
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子どもの治療用メガネを購入した際、諸条件を満たすことで最大3万8902円の助成を受けられます。対象者や助成額について見ていきましょう。
※詳しくは眼科または各自治体にご相談ください

対象者

子どもの治療用メガネの購入費助成を受けるには以下の条件を満たす必要があります。

助成額

助成額は条件によって異なりますが、最大で3万8902円が助成されます。

また、購入費の助成は治療用メガネ1本に対して適用されるため、2本目は全額自費となります。今回の私のように2本買う場合は注意が必要です。

万が一、助成補助の申請を失念していた場合でも、申請用紙の提出期限は「治療用装具の費用を払った翌日から起算して2年間」となっているため、その期限内であれば申請ができます。

まとめ

急性スマホ内斜視を予防するためには、夜間や寝る直前のデバイス使用を控えることはもちろん、日頃デバイスを使う際も適度に休憩を取りながら上手に付き合うことが大切です。特に小さなお子さんがいる家庭では、夏休み期間中は、子どもがデジタルデバイスに触れる時間がどうしても長くなってしまうこともあるでしょう。私もこの機会に一度、子どもたちと夏休み中のデバイスとの向き合い方について話をしようと考えています。