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【手取り別】一人暮らしの家賃の目安はいくら?生活費の理想は?

ためる 内山 貴博

【手取り別】一人暮らしの家賃の目安はいくら?生活費の理想は?

【画像出典元】「Andrii Yalanskyi/Shutterstock.com」

就職を機に初めての一人暮らしという人も多いでしょう。筆者もそうでした。学生から社会人になることでお金の使い方が大きく変わる中、いかにやりくりするべきか、考えるべきことがたくさんあります。特に一人暮らしの家計管理で大きなカギを握るのが家賃です。家賃はどれくらいが理想なのでしょうか?筆者の経験も踏まえ検証してみたいと思います。

家賃の目安は給料(手取り)の3割と言うけれど…

一般的に「家賃は手取りの3割」、「手取りの3分の1」程度と良く言われています。ちなみに随分前の話ですが、筆者が大学卒業後、初めて一人暮らしをした時の月の手取りが17万~18万円程度、家賃が4万9000円。図らずしてきちんと3割以内に収まっていました。

当時からファイナンシャルプランナーの資格に関心がありましたので、「貯金がなかなかできない、赤字でお金を借りなければならない」という状況は必ず避けたいと、家賃を払った残りのお金で生活費、そして貯金と何とかやりくりしていた覚えがあります。

なお、貯金については手取りの1~2割を目安とされることが多いですが、できれば2割を目標に頑張ってもらいたいです。よって理想は、固定費として払う家賃と貯金に回す分を除いた残りの金額で生活できる状態にすることです。大まかに以下、手取り別にシミュレーションしました。

手取り別に家賃と生活費をシミュレーション

家計簿つける女性
【画像出典元】「Nutlegal Photographer/Shutterstock.com」

家賃を手取りの3割、貯蓄目標を手取りの2割として、手取り額別にシミュレーションしました。

手取り15万円

まずは新卒社員や若手社員の方を想定したシミュレーションです。例えば通信費は、格安スマホを使う、Wi-Fi完備の部屋に入居するなど工夫することで減らす余地はありそうです。自炊ができる方なら月3万円以内で食費もやりくりできるでしょう。

ただ、趣味や交際費が1万5000円というのは少し足りないかもしれません。飲み会、懇親会などに参加するだけでも1万円近く必要になることもあります。また20~30代では結婚式に招待される機会なども増えるでしょうし、そうなるとこの金額では難しいところです。イベントが続く時は無理せず貯蓄額を減額してください。言い換えると、こういった大きな出費に備えて毎月貯蓄への意識を高めておくことが重要です。

手取り20万円

光熱費、通信費、保険料は手取り15万円のケースと変えていません。手取りは違っても同じような世代で生活スタイルや価値観も近いと想定しました。
食費に余裕ができ、趣味や交際費に使えるお金が2倍になりました。家賃も45,000円から60,000円にアップ。エリアにもよりますが築浅で利便性の良い物件も期待できそうです。貯蓄もコツコツ続ければ年間で50万円近く貯まることになります。

手取り25万円

光熱費と通信費は据え置きました。20代後半から30歳前後といった年齢層を想定すると医療保険やがん保険への加入を検討する人も多い世代です。よって保険料をアップしています。食費や趣味関連で月9万円(5万+4万)使えればかなり余裕のある生活が送れそうですね。

地域によっても家賃は違う

家賃
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上記はあくまで一例です。家賃3割を目安にシミュレーションしましたが、地域によってはもちろん、働き方によっても大きく左右されます。例えば、リモートワークが中心で出勤は月に数回のみという働き方の人も少なくないでしょう。そうなれば通勤エリアにこだわる必要がありませんので、同じ家賃でもより選択肢が広がります。もちろん、通勤環境に限らず利便性の高いエリアを好む人もいるでしょうし、インドア派かどうかということなども物件選びのポイントとなりそうです。

大きな出費、大事なものからしっかり目安を定める!

家賃はなんと言っても生活費を大きく占める固定費です。1カ月旅行をして不在にしていても、毎日自宅にいても同じ金額を払うことになります。支出の中でとても重要な要素です。また、支出ではありませんが、貯金も同じくとても大切です。

今回のシミュレーションは家賃と貯金を一定の目安で固定し、残りの金額で生活することを前提としました。ただ、人によっては「とにかく今が大切、趣味が命」といった場合や「食事が何より大好き、絶対に妥協したくない」といった具合にこだわりを持つ人もいると思います。

また、数年先に結婚の予定があり、一人暮らしの期間は限られているという人もいるでしょう。一般的な目安を参考に物件選び、そして家計管理をすることも大切ですが、どうしても譲れない大事なものがあれば、それらを優先するのも1つです。

実家で生活している人や世帯を構えている人の中には「1人暮らし」は憧れに近い存在だという人もいます。ぜひ自分の価値観とライフスタイルに適した家賃で素敵な物件を選び、日々快適で楽しい生活を送ってください。