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結婚や子育て資金、親からの援助は?いくらから贈与税がかかる?

そなえる

結婚や子育て資金、親からの援助は?いくらから贈与税がかかる?

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結婚・出産はなにかとお金がかかります。加えて、結婚や出産に“慣れている”という人は多くなく、「もっとこうしておけば良かった」と事後に後悔する人も少なくありません。また、ライフイベントの中でも大きなお金がかかるため、親が資金援助してくれる場合もあるでしょう。そこで今回は、この両親や祖父母からの資金援助を受ける際の注意点、非課税制度について紹介します。これから結婚や出産を控えている人は、記事を読んで早めに情報収集しておきましょう。

出産や結婚の平均費用は?

出産費用
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現在、少子化対策が進む中、出産やその後の子育てについては様々な支援制度があり、うまく活用することで出費をできるだけ抑えることができます。ただし、特に第1子を出産する際、夫婦それぞれが大きな経済的な不安を感じることが多いようです。

厚生労働省が行った調査「出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)の結果等について」によると、公的病院の出産費用の全国平均は約45万円です。現在、健康保険制度から出産育児一時金が50万円支給されており、出産費用に限ってみればさほど心配する必要がないことが分かります。
参照:厚生労働省「出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)の結果等について

一方、結婚費用はどうでしょうか。ゼクシィの「結婚トレンド調査2022」によると、挙式、披露宴・ウエディングパーティーの総額平均は303.8万円です。
結婚費用は主役である2人の考え方や価値観などで大きく異なりますし、ご祝儀も見込めますので、必ずしも300万円以上必要というわけではありません。なお同調査では、結婚するにあたり71.9%の人が「親や親族から援助があった」と回答しており、その援助額のうち平均162.7万円を挙式、披露宴・ウエディングパーティーの費用として使っています。
参照:「ゼクシィ結婚トレンド調査2022

親から援助してもらう際の注意点は

贈与の内容や金額によっては贈与税の対象になる可能性があります。いわゆる「ご祝儀・結婚祝い」という位置づけで親などから現金をもらった場合、社会通念上相当と認められるような一般的な相場の範囲内であれば税金はかかりません。ただし、お祝い以外の性質で資金援助をしてもらった場合、原則、贈与税の対象になります。特に高額な援助をしてもらう際は注意が必要です。
※金額や資金の性質で判断に迷う場合は、税務署等にお問い合わせください。

贈与税は年間110万円まで非課税、一括贈与の非課税制度も

贈与税の課税対象に該当した場合でも、年間110万円の基礎控除があるため、受贈者ベース(受け取る側)で年間110万円以内の贈与であれば非課税となります。

「父親から110万円、母親から110万円を受け取ったので、贈与税は課税されない」というのは誤りです。この場合、同じ年の贈与であれば受け取る側は合計220万円の贈与を受けたことになり、贈与税がかかりますのでご注意ください。

また、結婚や子育て資金には別枠で「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度」があります。概要は以下です。

筆者作成

父母のみならず祖父母からの贈与も対象になり、1000万円まで非課税となります。結婚資金目的の贈与はそのうち300万円までが限度となります。この制度を利用する場合、金融機関に専用の口座を開設する必要があります。

<直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度の流れ>
①    銀行等金融機関に専用の口座を開設
②    親などからその口座に一括等で贈与を行う
③    子はその口座から資金を引き出し、結婚や子育て資金として利用
④    実際に目的通り利用しているかどうか、領収書等を金融機関に提出

「この出費は子育て資金に該当するのか?」と迷うこともありそうです。以下、国税庁がHPに掲載している結婚・子育て資金の範囲を参考にしてください。

なお、途中で贈与者の親が亡くなった場合や資金を使い切れなかった場合は、相続税の課税対象になるといった注意点もありますので、税務署や金融機関等の専門家にお問い合わせください。

贈与は「前もって」を意識

贈与
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日本の個人金融資産は大半を高齢者世代が有しているのが現状です。一方、結婚や子育て、車や住宅の購入といった、まとまったお金を必要とすることが多い若い世代はそれほどお金を持っていないという構図になっています。

せっかく子や孫のために資金援助してもらった結果、多額の税金がかかるという結果になるのは避けたいところ。前もって、贈与税の仕組みを知る、そしてどんな非課税制度があるのか確認することが大切です。何も知らず贈与を受け、数年後に指摘されるということも考えられます。「前もって」を意識し、このようなお金に関する情報に触れ、そして適切な行動を心がけてください。