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退職時、余った有休は買い取りできる?有休消化で気を付けたいこと

そなえる 権藤 知弘

退職時、余った有休は買い取りできる?有休消化で気を付けたいこと

【画像出典元】「Roman Samborskyi/Shutterstock.com」

退職時に有休消化してから退職するという人や、次の仕事が決まっていて有休消化しきれずもったいないから買取してもらえないか?と考える人もいるかと思います。今回は退職と有休消化の関係について解説します。

そもそも有給休暇とは?

有給休暇について厚生労働省は以下のように定義しています。
『一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される休暇のことで、「有給」で休むことができる、すなわち取得しても賃金が減額されない休暇のことです。』

このように休んでも給料が支給される休みを有給休暇といい、正社員だけではなくパート・アルバイトで働いている人も有給休暇を取ることができます。

有給休暇の条件は?

有給休暇を取るには一定の条件があります。その条件とは以下の2つです。

1.    雇い入れの日から6カ月を経過していること
2.    その期間の全労働日の8割以上出勤したこと

この条件を満たすとまずは10労働日の年次有給休暇が取得できます。また勤続年数により、有給休暇の日数は下記のように変わっていきます。

【画像出典元】厚生労働省HP

パート・アルバイトで勤務している場合は下記のように計算します。

【画像出典元】厚生労働省HP

有給休暇は最大2年間分をくり越しすることができます。つまり、6年6カ月以上勤務している労働者が前年の有給休暇を1日も使わずにくり越ししていれば、法律上は最大40日間の有給休暇を取得できます。

退職前に有給休暇は取得できる?

結論からいえば取得できます。有給休暇は労働基準法に定められた労働者に与えられた権利であり、会社側は有給休暇の取得を拒否できません。とはいえ、会社としては退職時の引き継ぎ等の関係で、退職前の有給休暇の取得について難色を示す可能性もあります。もし拒否されるようであれば直属の上司ではなく、人事部や労働基準監督署等に相談することも考えてみましょう。

退職する前の有給消化について気を付けたいこと

パソコン画面を見て話す会社員
【画像出典元】「fizkes/Shutterstock.com」

状況にもよると思いますが、有給休暇を取得することで業務の引き継ぎなどに支障が出ないことが理想的です。できるだけ時間に余裕を持ち、早めの退職の申し出と業務の引き継ぎなどを行い、その後に有給休暇の消化をして退職するという流れが良いでしょう。

繁忙期や引き継ぎ期間を考慮しない状態で有給休暇を取得すると、思わぬトラブルが生じる可能性もあります。なお次の職場が決まっている場合、有給休暇を取得することで次の職場でのスタートに影響が出ることもありえます。

退職時に有給休暇が残っていたらどうなる?

退職日を迎えると同時に、残っていた有給休暇は消滅します。有給休暇の目的は労働者の休養であって、退職後は必要ないとみなされるためです。残っている有給休暇をすべて取得しようと考えるならば、退職日までに取得するよう段取りが必要です。一般的には、最終出社日と退職日をずらして有給休暇を消化するケースが多いです。

消化できなかった有休は買取可能なケースも

就業規則
【画像出典元】「stock.adobe.com/琢也 栂」

通常、消化できなかった有給休暇を会社が買い取ることはできませんが、例外として、退職時については買い取ることが認められています。ただし買い取りについては義務化されていません。就業規則に「退職時に有給休暇を買い取る」と規定があれば買い取り義務がありますが、規則に規定されていなければ会社側の判断となります。なお有給休暇を買い取ってもらえる場合、別に定めがなければ退職時の平均賃金や失業手当の日額に準じることが多いようです。

まとめ

有給休暇について注意が必要な点は、退職と同時に未消化の有給休暇が消滅することです。まずは自分の未消化の有給休暇が何日あるかを確認しましょう。また在職中に消化できなかった有給休暇は、まとめて消化するのが一般的ですが、消化しきれないことも考えられます。その際は会社に買い取ってもらえないか交渉してみましょう。

また退職に合わせて有給休暇を取得することを拒否されるようであれば、社内のコンプライアンス部門や人事部などに相談しましょう。それでも難色を示す・相談すると不利益な取り扱いを受けるおそれがあるなどの場合は、労働基準監督署に相談するのも一つの方法です。