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20代で車買いたい!相場や予算はいくら?おすすめの買い方は?

FPにききたいお金のこと 権藤 知弘

20代で車買いたい!相場や予算はいくら?おすすめの買い方は?

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今回の「FPに聞きたいお金のこと」は、車を購入したいと考えている20代前半の女性からの相談です。自動車の購入にあたってかかるのは購入費だけではなく、ガソリン代や保険など維持費を考えることも大切です。新車と中古車のどちらにするのか、予算によって選び方や買い方も選択肢はたくさんあります。一つずつ見ていきましょう。

20代女性の相談内容

昨年結婚したので、車を買いたいと思っています。20代前半で、まだ収入も多くないのですが、今から車を買うとしたら結局どのような買い方をするのが最適でしょうか?

予算はいくらくらいまでに抑えるべきか、売却も考えて中古ではなく新車にするべきか、カーリース・ローンを組む・現金で一括で買うなど、選択肢が多くて選べません。20代で収入が少ない人におすすめの車の買い方を教えてください。

自家用車を購入するときに重要なポイントは維持費

ご結婚おめでとうございます。
自家用車があると時間の制約もなくなり、行動範囲も広がりますね。自家用車を購入するにあたって、お金の面からどのような方法が良いかを考えてみましょう。

自家用車を買うときに重要なのはズバリ維持費です。想像するのが難しいかもしれませんが、毎月の維持費は車両価格以上に重要です。個人的には毎月の維持費を試算して、その試算結果を基に車両価格を決めると良いと考えます。現金で一括購入ならまだしも、仮に自動車ローンを利用するとすれば維持費はより重要です。

維持費にはどんなものがある?

自動車を所有すると毎月の維持費が必要です。ここで代表的な維持費を書き出してみましょう。

駐車場代が不要であれば良いですが、借りる必要があれば毎月の駐車場代は無視できません。もし駐車場を借りるのであれば、あらかじめ周辺の駐車場の相場などを調べておくと良いでしょう。

また相談者の方は20代前半とのことですので、通常であれば自動車保険の保険料は一番高いクラスが適用されます。このことから駐車場と自動車保険で最低2万円程度が必要になりそうです。ここに車検代や自動車税などを加えるとさらに維持費が必要です。

自動車購入の予算の目安は?

車両価格
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車両価格はなるべく安い方がいいでしょう。

すぐにではないかもしれませんが、今後はお子さんの誕生やマイホームの購入など、家族の幸せなイベントもあるでしょう。その準備や毎月のやりくりを考えると、高い車を買うことは避けた方がいいのではないでしょうか?

個人的には、夫婦の手取り収入の10~20%を貯金や投資などにまわすことができれば、先々の家族のライフイベントに備えることができると考えます。いくら貯金するかを夫婦で決めて、その上で維持費と自動車の購入費やローンにどれくらい使うかを決めましょう。自動車に関連する費用は夫婦の手取りを合算し、手取りの10~15%程度が目安だと思います。

例えば100万円の車を5年間で返済する自動車ローンを使って購入すると、毎月の返済はおおよそ1万8000円程度です。この返済額に毎月の維持費が必要になることを考えると、高い車を買って苦労するよりも、無理のない範囲の車を購入して、お金に余裕ができたら、夫婦のレジャー費に使うぐらいの方が良いと思います。

自動車の選び方や買い方は?

自動車の選び方
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20代前半のご夫婦で収入がまだ少ないとのことですので、筆者が考える無理のない自動車の購入方法を紹介します。

軽自動車~排気量1000cc程度の中古車

維持費を考えると、軽自動車~排気量1000ccぐらいのサイズの中古車が良いと思います。なお売却を考えて新車という選択は、今回は外しましょう。

購入価格の諸費用込みで上限100万円程度

自動車を購入する場合、車両価格の他に諸費用が必要です。この諸費用は車検が残っているかにもよりますが10万~20万円程度が目安です。車両価格だけではなく、諸費用を含めた金額で考えましょう。

貯金がそれほど多くなければ一括払いは避けましょう

まずは、家賃を含めた夫婦の生活費の3カ月~半年分にあたる貯金を、生活防衛資金として準備しましょう。その上で余裕があれば一括払いも良いと思います。もし余裕がなければ自動車ローンを活用しましょう。

自動車ローンを使う場合、返済期間は5年を目安にする

年齢に応じてライフスタイルや家族構成が変わることもあるでしょう。その変化に合わせて車を買い換えることも考えられます。あまりローンの返済期間が長いと、買い換えたいと思った時にまだ支払いが残っている可能性もあります。また返済期間が長い自動車ローンを組んで高額な車を買うということは避けた方が良いと思います。

カーリースや残価設定ローンは避けましょう

カーリースや残価設定ローンでは、車両価格と税金などを含めた金額を毎月支払い、契約期間が終了すると返却や買い取り・再リースなどを選ぶことができます。

新車の購入時に利用する人も増えてきましたが、途中で解約ができないことや、自動車保険・車検代は別途負担する必要があるなど、維持費自体は購入するのとそれほど変わりません。また毎月の支払い金額も新車価格をベースにしているので、決して安くはありません。なお契約期間終了時には、原状回復といって故障や傷がある場合は利用者負担で修理が必要です。

契約期間は取り扱いの会社によって異なりますが、5年から10年程度が多いようです。

まとめ

車を趣味の道具と考えるか、生活必需品として考えるか。人それぞれの考え方がありますが、維持費が必要なのは同じです。自動車ローンの支払いと維持費は固定費として毎月かかります。まずは維持費を払っていけるかをご夫婦でしっかり考えましょう。

維持費は購入後に必要な費用ですが、想像以上に家計へのインパクトがあります。維持費も含め、まずは安い中古車を乗り潰すつもりで購入することをおすすめします。家計のやりくりに余裕ができたら、新車も含めて乗り換えを考えても良いでしょう。

なお自動車保険については、保険料は高くなりますが、最低でも対人・対物については無制限で補償される内容で加入しましょう。