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一人暮らしの生活費、平均や理想はいくら?賢いお金の使い方は

ためる 中村 賢司

一人暮らしの生活費、平均や理想はいくら?賢いお金の使い方は

【画像出典元】「miya227/Shutterstock.com」

初めての一人暮らしを計画している人にとって、他の人が生活費にいくら使っているのか気になるところでしょう。

そこで今回は一人暮らしの平均的な生活費の金額や割合、FPが考える理想の生活費、一人暮らしの節約のポイント、さらには毎月お金をどう使っていけば良いかなどを解説します。

一人暮らしの生活費平均は?男女でも差が

まずは総務省が調査した一人暮らしの支出内訳についてみていきましょう。下表は34歳以下の単身世帯の調査結果を男女別にまとめたものです。(調査対象の平均年齢は、男性27歳、女性26歳です)


※出典:総務省統計局「家計調査(家計収支単身世帯)2020年」男女,年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出

この調査結果から男性の食費が消費支出の4分の1を占めるのに対して、女性は2割ほどに収めています。その分、住居費・被服費・理美容代を含めたその他支出の割合が男性に比べ高いことから、女性の方が生活を充実させ自分のことにお金をかけていることが分かります。

また女性に比べ男性の方が携帯電話やインターネットなどの通信費の割合が高く、教養娯楽費にお金をかけている傾向にあります。

地域別にみると下記のような結果となっています。


※出典:総務省統計局「家計調査(家計収支単身世帯)2020年」都市階級・地方別1世帯当たり1か月間の収入と支出

地域別にみると全体の消費支出に3万円ほど差があります。やはり大都市圏ほど生活費がかかるといえるでしょう。

食費は平均的に4分の1を占めている一方、住居費は関東地方が高く、水道光熱費は地方が割高となっています。また自動車関連費を含めた交通通信費は大都市圏より地方圏の方が高い傾向にあるようです。

教養娯楽費にも差があり、大都市圏ほど教養や娯楽にお金をかけているようですね。

理想の支出内訳は?(家賃、食費、通信費、保険料など)

FPの私が考える収入に対する理想の支出内訳は以下の通りです。

住居費や保険料などの固定費はできれば低く抑える方が良いでしょう。固定費が高いと毎月の支出が多くなり、貯蓄のペースが遅くなるだけでなく、スキルアップなどに使う教養娯楽費に回すお金も少なくなります。教養娯楽費にお金をかけることは、将来的に収入アップに繋がるのでこの割合は高くても良いと私は考えています。また貯蓄に回す割合はできれば10%以上が理想的です。

お金はどう管理していけば良い?貯蓄はいくら?

財布を持つ笑顔の女性
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まずは給料をもらったらすぐ貯蓄に回す「先取り貯蓄」を心がけましょう。毎月の給料から天引きされる社内預金や財形制度を利用するのも良いでしょう。職場にそのような制度がなければ、給料の一部を自動振替で定期預金に移しておきましょう。

貯金したお金は始めからなかったものと考え、残りのお金でやりくりするのです。毎月余ったお金を貯蓄に回す方法ではなかなか貯金は増えません。筆者はそのような方を多くみてきました。何度も繰り返しますが、先取り貯蓄をしてください。

毎月の家計の流れは、

という流れがおすすめです。

貯蓄する金額の目安は、まず生活費の3~6カ月分を目標にしましょう。それくらい貯めておくとコロナなど予期せぬことが起きた場合の緊急予備資金や生活防衛費になるでしょう。

その金額が貯まったら次は結婚費用やマイホームの頭金、旅行代金など目的を持った貯金をしましょう。概ね4~5年先までに使う予定のお金は別の口座で積み立てると良いでしょう。

それらが貯まったら次は投資です。しばらく使い道のないお金は多少リスクを取ってNISAやiDeCoなどの非課税制度を上手く活用し、投資にもチャレンジしてください。

一人暮らしの節約ポイントは

節約のポイントは固定費を抑えることです。若いうちから高い保険料の生命保険に加入している方をたまに見かけますが、20代のうちは生命保険には加入しなくても良いくらいだと考えます。

毎月の家賃も節約できるとベストです。家賃が毎月1万円違うだけで年間10万円以上貯蓄のペースに差がでます。一人暮らしを始める際は、できるだけ家賃が低い物件を探しましょう。

そして普段の生活で心がけることはコンビニの利用を極力避けることです。これは食費の削減にも繋がります。弁当や飲料水など、同じものでもスーパーで買えば2~3割安く買える商品もあるので、心がけてください。

ものを持たずにシェアという暮らし方も

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最近は物を所有するのではなく、使う場合だけ利用するというシェアサービスが増えてきました。代表的なものではカーシェアがあります。車を所有すると、取得費用だけでなく維持費に年間数十万円もかかります。使うときだけカーシェアやレンタカーを利用するという方法も一人暮らしを上手に楽しむ一つの方法です。

また被服費を抑えるためには、洋服やバッグがレンタルできたり、毎月定額を支払って自由に服やアクセサリー、バッグ等を使うことができるサブスクリプションのサービスもあります。20代のうちは友人知人の結婚式なども多く、ドレスやバッグが必要になることもあるでしょう。その都度購入していてはお金がいくらあっても足りません。そんな場合はレンタルする方が断然節約できるので、利用してみてください。

まとめ

今まで実家暮らしだった人が一人暮らしをスタートさせることは、家計管理を勉強するという意味でも良いことだと思います。今回は一人暮らしの平均的な金額や割合をみてきましたが、ご自身の生活に置き換えて理想的な生活を送るためには「何にお金を使うと幸せになれるのか」を良く考えて計画を立ててください。

一人暮らしをしていると色々なことにお金がかかります。その結果、貯蓄のペースが落ちるかもしれません。それでもあきらめずに家計管理を続けて、夢に向かって貯金を頑張ったり、スキルアップのためにお金を使い、将来の収入を増やすことも考えていきましょう。

お金の使い方の正解は誰も教えてくれません。自分で学ぶしかないのです。一人暮らしをスタートさせることで、そのことをしっかり勉強していきましょう。