お金

時には離婚にも…夫婦の“金銭感覚のズレ”は、何処で生じるのか?

「お金0.2から2.0まで」新しい経済のルールと生き方を考える 中村 修治

時には離婚にも…夫婦の“金銭感覚のズレ”は、何処で生じるのか?

【画像出典元】「 beeboys_istock.com」

真珠婚も過ぎたワタシ(中村修治)は、カミさんのメールやLINEの既読スルーなんて、もはや気にならない。娘たちの返事が3日遅れの紋切り型であっても許す。こういう“時間のズレ”は、仕方ないと大目に見る。人それぞれに流れている時間の価値は、違う。しかしである、“金銭感覚のズレ”は、看過できない。

価値観のズレよりも重い?“女性の金銭感覚”は、結婚の重要な選択事由。

アッパー層限定の審査制恋活・婚活アプリ「東カレデート」男性会員のアンケート結果によると「“金銭感覚の違い”によって結婚に踏み切れなかった」という男性の声が多数を占めたとある。

ハイスペックな男子の、結婚を意識した女性に対して一瞬で冷める事由の第1位が「金銭感覚の違い」。第2位が「価値観のズレ」。その後に「だらしない・不潔」「育ち・品」「自己中」「食事の趣味・マナー」と続く。

高所得な男性ほど、女性の“金銭感覚のズレ”には、敏感というわけだ。「結婚式は○○で挙げたいな…」「将来は○○エリアに住みたいな…」みたいな不用意な発言は、気をつけた方が良いそうだ。

我が家に出現した“金銭感覚の割れ目”

結婚して32年である。結婚を決めたのは弱冠26歳。貧乏だった。カードローンにも手を出していた。カミさんは、ふたつ年下。ふたりに貯金などあるはずがない。そもそも、お金がないから“金銭感覚のズレ”を感じる瞬間などもなかった。若いうちに結婚するメリットはここらへんにもある。男女が互いにお金を自由に使えるようになる30代にもなると“自分のお金の使い方”が生活を支配していくようになる。持ってしまうと、使い方にも差が出てくる。

いつの頃からだろう!?我が家に椅子が増えたのは!?座るための椅子ではない。飾るための椅子である。たまに愛猫が座っているけど。ワタシは、座ったことがない。カミさんに聞けば、かなりお高い。・・・なのにだ!?我が家のトイレットペーパーは、二枚重ねではない。一枚のペラペラである。時々、厚いのにしてくれと訴えるが聞き入れてくれない。あの座らない椅子を平気で購入するカミさんは、二枚重ねのトイレットペーパーなど贅沢だと言う。ワタシとカミさんの“ 金銭感覚のズレ”は、お尻の割れ目ほどに、深い。

結局は、似た者夫婦なのか!?

カミさんから言わせてみれば、ワタシもワタシである。もしかしてだよ!?ものすごく、神のごとく買い物が上手かったとしてだよ!?毎日のスーパーのお買い物で1000円をトクできたとしよう。それを積み重ねたって年間36万5000円だよ。

そんなんだったら、なんとかする。1日1000円の節約のために頭と時間を使うくらいだったら、ワタシは、仕事することにする。そんなことを思い続けて30年である。お金が貯まるわけがない!!!

メニューに「松竹梅」があったら「松」でいい。特か特上なら「特上」を選ぶ。そこの数百円、数千円なんざ、稼げばいいと思ってきた。そんでもって会社の内部留保は、ほとんどゼロである。どんぶり勘定ばかりである。弁当で日々の出費を抑えようなんてサラッサラ考えたことがない。そんな人間が、カミさんにお弁当をつくってもらうはずもない。ましてや弁当などつくったことなどない昭和のオッさんである。

どんぶり勘定の旦那と座らない椅子を購入するカミさん。そんなもんだから、夫婦で暮らして32年というのに、その結晶としての貯金がない。結局、大きく引いてみたら“金銭感覚などズレていない”。ズレているのは、お尻の穴の感覚くらいのもの。似た者夫婦である。笑

寅年生まれの還暦、弱小企業経営者の遺言!!

おかげさまで、寅年の今年は、とうとう還暦である。
mymoに執筆させていただいて4年の月日が経つ。
きっと、読者の方々は、ワタシより若い方々でしょう!?
最後の“厄年”でもあるから、この新年に向けてみなさんに遺言である。

1万円が1万円であるためには、世界のみんなが1万円という紙には1万円の価値があると、何かしら信用をしているということが前提となる。

ちゅうことは、日本銀行が闇雲にお金を発行したり、世界から日本は信用できねぇなと思われたりすると、1万円は、ただの紙切れになる可能性がある。だから、1万円があったなら、せっせと、1万円以上の経験に換えておくことである。

手元に置くお金の役割は、災いを避けるくらいのものでいいですよ。
みんながみんな言うけれど、死んだら、あの世にお金は持っていけないのだから。

ここらへんの意識が共通している夫婦の間に生まれる“金銭感覚のズレ”は、何処まで行ってもお尻の割れ目くらいのものである。

あけましておめでとうございます。
本年も、どうかよろしくたのんます。