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住宅ローンで団体信用生命保険が適用されないことも?意外な落とし穴とデメリット

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住宅ローンで団体信用生命保険が適用されないことも?意外な落とし穴とデメリット

【画像出典元】「iStock.com/takasuu」

住宅ローンを組む際には、団体信用生命保険に加入する方が多いと思います。実際、多くの金融機関が団体信用生命保険(以下、団信保険)への加入を融資の条件としています。

みなさんは、団信保険に加入することで「もう家のローンの心配は要らない」と安心しきってはいませんか。中には団信保険で加入したはずの保険が適用されない、ローン債務の一部が残ってしまうケースがあります。

今回は、「団信制度の思わぬ落とし穴」やデメリットについて調べてみました。

【画像出典元】「iStock.com/sorbetto」
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団信保険とは?制度とそのメリットをおさらいしよう

この団体信用生命保険は、ローンを借りた人(=加入者)が返済期間中に死亡または高度障害になった場合、保険会社から金融機関へローン残債と同額の保険金が支払われることにより、以後のローン債務が全額免除される制度です。

住宅ローンの返済は長期間にわたります。返済していくローン加入者(主な収入を担い手)の身に万が一のことがあると、残された家族は大きな金額のローン残債を抱えてしまうことになります。この残された家族の住居費の負担リスクをカバーするのが団信保険です。

団信に加入するメリットとは?

団信保険の加入者は全員が団体契約扱いとしてみなされます。このため保険料が団体割引されるような効果があり、個別で加入するよりも安く設定されます。また、一般的な生命保険は性別や年齢によって保険料が変わりますが、団信の保険料はローン残債に対して算出されるので、加入者の年齢や性別で保険料が変わることはありません。

団信保険の落とし穴とは?デメリットを知ろう

実は団体信用生命保険では保障しきれないケースとローンが残債が出るケースがあるのをご存知でしょうか。団体信用生命保険のデメリットを紹介します。

デメリット1 保障しきれないケース

団信保険で補償の対象になるのは、基本的に死亡・高度障害状態のときです。特約をつけると、三大疾病や八大疾病で所定の状態に該当したときにも保障されます。

対象外の病気になった場合、またはケガで長期間働けなくなった場合には対応されません。

デメリット2 ローンが残るケース

団信の契約の仕方によって、ローンが残ってしまうことがあります。

夫婦共に収入がある場合に、連帯債務を選ぶことがあります。夫が主債務者で妻が連帯債務者であると仮定します。夫が亡くなった場合には、夫の収入割合だけ団信保険が適用されて、妻の収入分のローンが残ります。

また、夫婦の収入に差がない場合はペアローンを組む場合があります。夫、妻それぞれが主債務者となり、より大きな金額のローンを組むことができますが、夫が亡くなっても妻のローンは残ります。

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団信保険は、家のローンが免除になる保険ですから、収入の担い手が亡くなっても、生活に必要な現金が入ってくる保険ではありません。

 

団信に加入する際には、ケガや病気で一定期間働くことが出来なくなった場合に、月々保険金を受け取ることができる就業不能保険などで備えておくことや、他の生命保険に加入して、足りない補償を加えていくことも合わせて検討したいですね。

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