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ウチの会社、実はブラックかも!? 25のチェックリストで特徴を確認

そなえる

ウチの会社、実はブラックかも!? 25のチェックリストで特徴を確認

【画像出典元】「Arts Illustrated Studios- shutterstock.com/」

春を迎え新年度がはじまりました。期待を胸に新社会人のスタートを切ったものの、通勤を重ねるうちに入社前にはわからなかった会社の姿が見え始め、「もしかしてうちの会社はブラック企業かも?」と不安を覚えている方もいるかもしれません。

そこで今回はブラック企業や隠れブラック企業を見分けるためのポイントやチェックリストをお伝えします。

ブラック企業・隠れブラック企業とは?

デスクで頭を抱える男性
【画像出典元】「Yuganov Konstantin- shutterstock.com/」

「ブラック企業」というワードは、どのような意味を持つのでしょう。ここではブラック企業の定義や扱い方について解説します。

ブラック企業

前提として「ブラック企業」という言葉は造語であり、厚生労働省においても具体的な定義は定められていません。その上で一般的には、コンプライアンス意識が低く違法なルールがまかり通っている会社、パワハラなどが横行する過酷な労働環境の会社を、ブラック企業と呼ぶことが多いです。

酷いケースでは、給料が未払い、休憩や休日が取得できないなど、労働基準法に違反する行為を行っている企業もあるようです。

ホワイト企業

「ホワイト企業」とは、ブラック企業の対極にある会社を意味する造語です。コンプライアンスが徹底され無理なく働ける会社、給料や福利厚生がよく残業も少ない会社などを指すことが多いです。大手メーカーのように規模が大きく安定した企業をホワイト企業と呼ぶこともあります。

隠れブラック企業

「隠れブラック企業」とは、募集要項などをみると一見ホワイトにみえるものの、その実態はブラックである企業です。たとえば、一見誰もが知る大企業で、給料条件や福利厚生の条件は良いものの、職場では暴言や長時間残業などが横行し、モラルが崩壊しているような企業は隠れブラック企業といえるでしょう。

ブラック企業チェックリスト25問

チェックリスト
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ここではブラック企業の素質があるかを測るチェックリストを用意します。お勤めしている職場を思い浮かべながら、いくつ当てはまるかチェックしていきましょう。

【勤怠】
□タイムカードなど労働を管理する仕組みが用意されていない
□6時間以上働いても休憩が一切もらえない
□休憩時間中も働かされる
□休日が週1日すらもらえない

【残業】
□残業を強制される
□サービス残業が当たり前の風潮がある
□ひと月の残業時間が80時間を超えている
□残業代が支払われない
□みなし残業代(固定残業代)を超えた残業に対して残業代が支払われない

【賃金】
□給料が未払い状態にある
□給料が極端に少ない、最低賃金を割っている
□勝手に給料が減らされた
□雇用時に定められていた給料と異なる

【人事】
□何年働いても昇給がない
□給料や待遇が変わらないまま管理職等に就かされる
□離職率が高い
□人が集まらず常に求人を出している
□辞めたいといっても退職できない
□不当な理由、理不尽な理由で解雇される

【その他】
□パワハラ、モラハラ、セクハラなどが横行している
□社訓を大声で読み上げるなど洗脳のような行為を強制する
□過度なノルマや成果を強制する
□旅行積立金、業務上のミスで生じた損害、遅刻の罰金などを勝手に給料から天引される
□身体が危険にさらされる状況で働かされる
□社員に覇気がなく、精神病を抱えたような人が大勢いる

【ブラック度】
1個:★☆☆☆☆
2~3個:★★☆☆☆
4~5個:★★★☆☆
6~7個:★★★★☆
8個~:★★★★★

どれも問題のある内容であるため、一つでもチェックがあれば、ブラック企業の素質があるといえます。6個以上となると危険なブラック企業となってきますので、それが当たり前だとおもわず、客観的に今の状況を考えたいところです。

ブラック企業を見分ける4つのポイント

PCで仕事を探す
【画像出典元】「fizkes- shutterstock.com/」

ブラック企業を事前に見分けるにはどのような部分に注目すればよいのでしょう。ここでは見分ける上でのポイントを4つ紹介します。

ポイント1:離職率を見る

ブラック企業は人の出入りが激しいため、離職率が一つのポイントとなります。厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概況」によれば離職率の平均は15%となっています。離職率が平均より過度に高い場合や、同業他社より過度に高い場合は、ブラック企業である可能性が疑われます。

なお、離職率は以下の方法で調べることができます。

・四季報
・有価証券報告書
・帝国データバンク
・口コミサイト
・就活エージェントに聞く
・企業に直接聞く
など

ポイント2:募集要項に具体性がない

ホワイト企業であれば、募集要項に、職種、仕事内容、サービス内容、労働条件、実績などが具体的に書かれており、募集要項を見ただけでもある程度仕事のイメージができます。対してブラック企業の場合、「売れやすい商品」「こんな私でも活躍できた」「和気あいあいとした職場」など、漠然とした募集文が多いのが特徴的です。

ポイント3:職場の雰囲気が悪い

面接の際に、職場内の様子もチェックしておきましょう。職場にいる社員の顔色が悪い、暴言や怒鳴り声がきこえる、整理整頓や掃除が行きわたっていない職場の場合、ブラック企業であることが疑われます。また、面接官の対応が高圧的であったり、面接官同士でも上下関係の厳しい様子がうかがえる場合も、ブラック企業の可能性が高まります。

ポイント4:給料が過度に高い

個人営業のブラック求人などによく見られるパターンですが、初任給の額が過度に高い会社や、「最大〇〇万円まで稼げる」といった記載のある会社はブラック体質であることが疑われます。そうした求人は「業績給」や「固定残業代」が含まれた額として記載されていることが多く、実際は記載通りの給料がもらえなかったり、厳しいノルマや長時間残業が課せられることもあります。

もし自分の会社がブラックだと思ったときはどうすれば?

スマホで電話する若い女性
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自分の勤めている会社がブラック企業だと気づいた場合、社員としてどう行動すればよいのでしょう。取るべきアクションについて解説します。

労働組合に連絡

ブラック企業の場合、職場の上司などに相談しても問題が解決できないことがあるため、社内の「労働組合」に相談しましょう。もし社内に労働組合がない場合、「合同労働組合」や「労働基準監督署」に相談してみるのも一つの方法です。

法的処置を行う

法律に違反するような行為を受けている場合には、法的処置をとることで、慰謝料や残業代を請求できることがあります。サービス残業を証明するもの、パワハラを証明するメールの文章、会話のやりとりなど、証拠となるものはできる限り集めておきましょう。証拠が多いほど、損害賠償請求をスムーズに進められます。

退職する

退職意思がある場合には、退職手続きを進めていくことになります。できれば残っている有給は消化し、未払いの残業代や退職金をしっかりと受け取った上で退職したいところです。ブラック企業の場合、退職の要求に応じてくれなかったり、会話すら進まないこともあります。そうした場合には「退職代行サービス」を使い、専門家に対応してもらうのも一つの方法です。

就活・転職活動時に気を付けること

就活・転職活動時に気を付けることとして、転職活動は「在職中」にするのがよいといわれています。仕事を辞めてから転職活動を行ってしまうと、心理的な焦りが生まれやすく、採用されやすいブラック企業に再び転職してしまうという結果にもなりかねません。

そのため、現在お勤めの企業で働きながら、転職先を探すのが賢明ではありますが、精神的、肉体的にあまりにつらい場合には無理をし過ぎないことが大切です。

業界を変えてみるのも手

一般的にブラック企業が多いと話題になりやすいのは次のような業界です。

・飲食業界
・IT業界
・不動産業界
・サービス業界
・小売業界
など

これらの業界は、ブラック企業の比率が高めであるため、違う業界で希望の職種を探してみるのもよいかもしれません。たとえば同じ営業職でも、業界が変われば風土や環境が大きく変わることがあります。

以上、ブラック企業の判別方法について紹介しました。働き方改革が進む中、ブラック企業は近年減少傾向にありますが、ブラックな環境が根付いている会社がまだまだあるのも事実です。ブラック企業での過酷な勤務が続くと、体を壊してしまったり、精神的に病んでしまうこともあるため、ブラック企業であるかをよく見極めて、次の転職先を探したいところです。