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【実体験】引っ越し時、保育園の転園が大変…!保活の注意点を解説

経済とお金のはなし 織瀬 ゆり

【実体験】引っ越し時、保育園の転園が大変…!保活の注意点を解説

【画像出典元】「Oksana Kuzmina/Shutterstock.com」

先日夫の転勤が決まり、5年間住んだ名古屋を離れ、実家のある東京へと戻ってきました。前回名古屋に引っ越したときは夫婦と生後10カ月の娘の3人でしたが、今回は保育園児2人を含めた4人と、なかなかハードな引っ越しに。

引っ越しに伴う荷造りはもちろん、さまざまな手続きが必要となるなか、私がもっとも頭を悩ませたのが引っ越しに伴う保活でした。今回の記事ではここ数カ月を振り返り、転勤前から転勤後までの、乳幼児を育てる子育て世帯が知っておきたい保活の注意点を紹介します。

突然決まった転勤

驚く男女
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9月初旬に夫の転勤が決まり、5年住んだ名古屋から東京へと引っ越すことに。

異動日は10月2日、数週間で東京への引っ越し準備を終えなければいけないことに加え、私がもっとも頭を抱えたのが娘と息子の保育園の転園手続きでした。娘は保育園の5歳児クラス(年長)、息子は3歳児クラス(年少)に該当し、保活難易度が高い未就園児(0-2歳)ではないものの、2人を同じ保育園に通わせたいとなると必然的に選択肢は限られます。

転勤に伴う保活は時間がない

慌てて転居先の市区町村のホームページで認可保育所の入所手続きを確認したところ、10月から保育園に通わせるためには9月中旬頃までに窓口での申込みを済ませる必要がありました。幸い東京に実家があったため、子供を連れて帰省し保育園の見学に行くことは可能でしたが、日数に限りがあることから、頑張っても2~3カ所しか見学に行けないなと感じていました。

また、名古屋から遠く離れた東京の保育園の評判を知ることは難しく、どの園を見学に行けばいいのか検討もつきません。そのため、まずは市役所に電話をして状況を説明することから始めました。

県外からの転居であること、できれば3歳と5歳の子どもを同じ園に入れたいことを伝えると、手続きに慣れている担当の方が丁寧に対応してくれました。

その後、やり取りの中で、現在通っている保育園の規模(小規模なのかある程度の人数がいるのか)や子どもの性格なども簡単に話したところ、空きがある保育園の中からおすすめの園をいくつかピックアップして教えてくれました。

転勤族の場合、情報収集をする時間が限られることに加え、遠方であればなおさら状況が把握しづらくなります。そのため、役所の人にできるだけ状況を伝え、保育園の雰囲気や規模について聞くことが大切でしょう。

また、保育園の見学については実際に園と日程のやり取りをして、見学日を決めることになりますが、問い合わせへの対応がよいかどうかも判断材料のひとつです。実際、数カ所に電話をした中で園長先生が自ら電話に対応してくれた園に子どもを通わせることになりました。

書類の準備も早め早めが肝心

署名を確認する女性
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保育園へ入園申込みをするには、該当の市区町村に住民票があることが条件となっています。通常の保活であればまず問題ありませんが、転勤に伴う保活の場合、そもそも住民票が新住所に移っていないケースがほとんどでしょう。

この場合、転園先の市区町村が「転入誓約書」を利用した保活を認めているかどうかを確認することが大切です。転入誓約書とは入所申込みにあたって、選考結果にかかわらず入所希望月の1日まで(土日祝日の場合は開庁翌日まで)に転居先へ住民票を異動することを約束する書類を指します。なお、転入誓約書とあわせ、「賃貸契約書の写し」や「売買契約書の写し」「工事請負契約書の写し」といった書類の提出が必要となる場合もあるので、あわせて確認しておきましょう。

また、基本的に保育園の転園手続きはその時点で住民票のある市区町村で行います。そのため、今回の私のケースでいえば、手続き書類自体は名古屋の区役所に提出(提出書類は転居先の書式のもの)し、そこから転居先の担当窓口に取り次がれることになります。

この際、申込締切期日に注意が必要です。たとえば、「転園手続きが入所希望月の前月15日まで」であった場合で考えてみましょう。すでに転居先の市区町村に住んでいるのであれば、締切までに窓口で手続きをすれば問題ありませんが、先にも述べたように都道府県をまたぐ場合は取り次ぎの関係があるため締切よりも1週間ほど早く提出しないと締切を過ぎてしまう恐れがあります。

こうした事情も含め、転勤族の保活は本当に時間がないと感じました。あくまでも住民票がある都道府県が手続きの管轄となるため、ギリギリで書類の漏れや不足が生じないよう早め早めの準備が肝心です。締切に余裕を持って提出できれば、万が一再提出が必要となった場合でも手続きに間に合う可能性が高まります。

保育園決定後も油断は禁物

保活を経て、無事に子どもが保育園に通えることになっても油断は禁物です。私自身、保育園が決まった際に役所の保育課の人からの電話で知ったのですが、保育園入園前に当該保育園での面談と健康診断を済ませなければなりませんでした(※市区町村により異なります)。
10月入所で月初から登園できるとすっかり安心していたので、慌てて保育園と指定の小児科に電話をしたことを覚えています。

また、転園先の保育園に通い出した後も、最初の1週間は慣らし保育からスタートするため、いきなりフルタイムでの勤務は難しく、事前の調整が必要です。これまで通りの生活が始まるのは早くとも登園を開始して一週間が経過してからと考えておくとよいでしょう。

引っ越し時の保活は全体の流れを把握することから始めよう

スケジュールの把握
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今回の記事では、実体験をもとに転勤族の保活について紹介しました。引っ越しとなると、保育園以外にもさまざまな手続きが必要となるほか、荷造り等も並行して進めなければなりません。何をするにも時間が限られている中で、まずは全体のスケジュールを把握することが大切です。

特に保活については書類の提出期限が決まっていることに加え、必要書類も多岐に渡ります。保活で必要となる「就労証明書」も勤務先によっては発行に数週間かかるケースもあるため、転勤の可能性が高そうだと感じたら早めに申請しておくとよいかもしれません。

また、転勤に際して引っ越し代や家賃・敷金・礼金など、さまざまな出費が重なることに加え、保育園の見学等となるとその分の交通費も加算されます。実際に私も転居先の下見や準備、保育園見学を含め、トータルで10万円前後の交通費がかかりました。実家に寝泊まりさせてもらったため宿泊費は生じませんでしたが、親族等がいない地域へ引っ越す場合は交通費に加えて宿泊費も加算されるので注意が必要です。引っ越しには思っている以上に多額の費用がかかります、保活はもちろんのこと、資金がショートしないよう転勤する日に備えて貯金しておくようにしましょう。