お金

値上げで圧迫する家計の救世主!?企業の「インフレ手当」その相場は

ためる

値上げで圧迫する家計の救世主!?企業の「インフレ手当」その相場は

【画像出典元】「Maxx-Studio /shutterstock.com」

昨今、特に値上げされているのが食品です。この値上げラッシュにより、一世帯あたり年間7万円近く負担が増えているそう。そこでこの負担増に対し、対策に乗り出す企業も出てきました。それが「インフレ手当」です。今回はインフレ手当や、負担増に対する対策についてクローズアップします。

インフレ手当とは

インフレイメージ
【画像出典元】「stock.adobe.com/Deemerwha Studio」

インフレ手当とは、食品や光熱費などの値上げを受け、企業が従業員に支給する臨時手当のことをいいます。生活費補助を目的に手当を支給することで、従業員の生活の不安を軽減することができます。企業によっては物価手当などとも呼ばれ、一時金または毎月の給与に上乗せして支払われます。

年間約7万円支出増の内訳は?

昨年2022年の食品の値上げ率は14%。家計の支出負担でみると、1カ月平均5730円、年間6万8760円の支出増という結果でした。1ヶ月の内訳は加工食品で+2560円、酒類・飲料+1285円など。その他、菓子類、調味料、乳製品、パンなどの支出も増えているようです。

2023年に入り食品の価格は、1~3月で平均18%アップ。私たちの家計をさらに圧迫しています。

参照:帝国データバンク「『食品主要 105 社』価格改定動向調査―2022 年動向・23 年見通し」

インフレで20代の負担がアップ

悩む男性
【画像出典元】「fizkes /shutterstock.com」

食品の値上げは、とりわけ収入の低い世帯ほど大きな影響を受けているようです。20代の平均年収は、20代前半が267万円、20代後半が370万円。「収入階層別 食品値上げによる影響」のデータによると、年収329万円未満の世帯では食品値上げによる家計負担増加額は年間5万1423円。年間の消費支出額のうち2.3%を占めます。また年収329万~459万円未満の世帯では年間6万2951円の負担増。年間消費支出額の2.2%を占める金額です。

これに対し、年収が1075万円以上の世帯の場合、金額こそ8万9150円と低収入の世帯より多いものの、消費支出額に対する負担割合は1.7%。このことからインフレの影響は、20代をはじめとする収入の低い人への負担が大きいことがわかります。

参照:国税庁「民間給与実態統計調査」帝国データバンク「『食品主要 105 社』価格改定動向調査―家計負担額推計」

インフレ手当を支給している企業とその相場

明細書
【画像出典元】「stock.adobe.com/ DESIGN ARTS」

この相次ぐ値上げに対し、どのくらいの企業が手当を支給してくれたのでしょう?帝国データバンクによると、インフレ手当を支給した企業は全体の6.6%。このほか支給予定が5.7%、検討中が14.1%で、合計26.4%の企業がインフレに対し対策を考えているようです。一方、支給する予定はないと答えた企業は63.7%にもなりました。

同アンケートをもとに、金額についてもみていきましょう。一時金(予定・検討中含む)の平均支給額は5万3700円。給与への上乗せとしての月額手当は、平均約6500円でした。

参照:帝国データバンク「インフレ手当に関する企業の実態アンケート」

負担増に自分でできる対策を考えよう

貯金
【画像出典元】「stock.adobe.com/ lovelyday12」

前述したように、インフレ手当を出す企業も一定数ある一方、出さない企業の方が多いようです。また、同じく帝国データバンク「2023年度の賃金動向に関する企業の意識調査」によると、56%以上の企業が賃金改善を行う予定ですが、逆にいえば44%弱の企業は賃金改善を行わないということでもあります。

もし、勤め先がインフレ手当の支給も賃上げもしない場合、支出増に対し自分で対策しなければなりません。そこで年収329万円未満と仮定し、年間5万1423円=月額4285円の負担を減らす方法を考えてみましょう。

●家計簿をつけ、固定費を減らす
まず毎月の支出入を確認し、不要な固定費を減らしましょう。例えば、しばらく利用していないサブスクを解約する、保険内容を見直しする、などが挙げられます。そのほか、携帯電話のプランを見直す、格安スマホに変えるといったことで、月1000~2000円の削減になります。

●嗜好品を買わない、我慢する
嗜好品や趣味のものは月々の限度額を決めましょう。月々嗜好品に使う金額は、3000円未満が60%弱。これを半分に減らすだけで、月1000~1500円の負担削減になります。

参照:マイナビウーマン「嗜好品にかけているお金、ひと月いくら?

●副業する
副業で収入を増やすのも、一つの方法。毎月1万円でも収入が増えれば支出分をカバーできます。

固定費を見直す、嗜好品を我慢するといったことで、月々3000~4500円の削減に。さらに副業までスタートすると、手取りアップも狙えます。月額4285円の節約なら、こういった方法でなんとかなりそうですね。

今回は、インフレ手当の相場や支出増への対策などについて解説しました。20代はまだ収入も少ない場合が多く、やりくりが大変かもしれません。ですが、上手にやりくりできるようになれば、いずれ貯金もできるようになります。まずは自分に合ったインフレ対策を見つけ、昨今の値上げに対抗していきましょう。