かわいい愛猫とのくらしに、憧れる人も多いのではないでしょうか。しかし猫も大切な家族。手間はもちろんお金もかかります。そこで今回は、猫を迎える際の初期費用、フード代、医療費などの生涯費用を計算します。これから猫を飼う人は、予め生涯費用を把握し、金銭的な理由で手放すことのないようにしましょう。

お迎えする費用（初期費用）はいくら？

猫を迎える方法には、ペットショップやブリーダーなどから子猫を購入する方法、保健所・動物愛護団体から保護猫を譲ってもらう方法などがあります。子猫を購入する場合、猫種によって価格が異なり、目安は5万～50万円ほどになります。

保護猫をお迎えする場合は、譲渡のため生体費用はかかりません。ですが、医療費・ワクチン代など実費として必要な場合があります。このほかお迎えの際に必要な経費をみていきましょう。

猫の住環境にかかる費用

猫と自宅で暮らすために必要なグッズ、価格は以下の通りです。

トイレグッズ（猫砂、トレー）・・・1000～3000円
キャットフード・・・1000～3000円
食器・・・300～1000円を水用・フード用で2つ
爪とぎ・・・800～2000円
キャリー・・・2000～3000円

以上のグッズを揃えるためには、5500～1万3000円ほど必要です。

ワクチン接種費用

猫の感染症の中には命を脅かすような病気があるため、ワクチン接種で予防しましょう。費用の目安としては、3種混合で3000～5000円、5種混合で5000～8000円ほどです。

生後2～3ヶ月と、さらにその1ヶ月後の、2回接種を行う動物病院が多いようです。購入・譲渡の際にすでにワクチン接種が済んでいることもありますので、担当者に確認してください。

生涯にかかる費用はいくら？

「令和4年 全国犬猫飼育実態調査」（ペットフード協会）によると、猫の平均寿命は「15.62才」。そこで今回は、15年生きると仮定して計算してみます。

病気を予防する費用 

猫の感染症を予防するために、ワクチン接種のほかノミ・ダニの予防薬も必要です。初年のワクチン接種は初期費用に含んでいますので、生涯でかかる費用は以下のように計算します。

5種混合ワクチン接種：年1回6500円(平均値）×14回＝9万1000円
ノミ・ダニ予防薬：年間1万円程度×15回＝15万円

避妊・去勢の費用

猫は繁殖能力が高いため、避妊・去勢を済ませておくことをおすすめします。また、卵巣・精巣の病気の予防にもなります。費用は1万5000～3万円ほど。自治体によっては、去勢手術に助成金が出るところもあるので確認してください。

フード代　

前述の「令和4年 全国犬猫飼育実態調査」（ペットフード協会）によると、猫の月々のフード代は、平均2877円です。よって生涯でかかる費用は以下の通りです。

月2877円×12ヶ月×15年＝51万7860円

病院にかかる費用

「家庭飼育動物（犬・猫）の飼育者意識調査」（平成27年度・日本獣医師会）によると、猫の通院にかかる費用は平均で月6991円です。

月6991円×12ヶ月×15年＝125万8380円

お葬式の費用

大切な愛猫だからこそ、最期のお別れもきちんとやってあげたいもの。ペット保険を扱うペットメディカルサポート株式会社の調査によると、猫の葬儀にかかる費用平均は2万6000円です。
（参照：PR Times）

以上のものを合計すると、猫の生涯にかかる費用は、生体費用を除き約200万円です。このほかに冷暖房代、ペットホテル代など、さまざまな費用がかかります。

ペット費用の負担を減らす方法とは？

一つひとつ見ていくと、猫の生涯の中で医療費がかなりのウエイトを占めることがわかりました。猫の治療・診療は、人間のように社会保険が適用されないため、すべて自由診療となります。場合によっては高額となってしまうこともあり得るでしょう。そこで、考えておきたいのがペット保険や薬の通販などです。

ペット保険は民間の保険会社で取り扱っており、猫なら月々500円～3000円ほどの保険料で、動物病院でかかった費用の一定割合を保険金として支給してくれます。また、ノミ・ダニのお薬は、通院でなく通販にすることで2～3割安くできます。

今回は、猫を飼うために必要な費用について解説しました。フード代や治療費などでもっと高額になることもあれば、病気などにかかりにくい健康な猫であればもっと金額が抑えられることもあります。まずは約200万円という金額を、猫をお迎えする際の目安として判断するとよいでしょう。