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値動き激しいビットコイン投資…初心者がリスクを抑える方法は?

ふやす 内山 貴博

値動き激しいビットコイン投資…初心者がリスクを抑える方法は?

【画像出典元】「stock.adobe.com/Ruslan Ivantsov」

ビットコインをはじめ、仮想通貨(暗号資産)に興味を持つ人が増えています。しかし、いきなりまとまったお金で仮想通貨を購入することは勇気がいるかもしれませんね。損失のリスクもあります。

そこで「時間を分ける」、つまり積立投資を行うことから始めるのも1つの方法です。今はビットコインほか、仮想通貨の積立に対応した取引所(業者)も増えています。今回は仮想通貨の積立投資について基本的なことから、おすすめの取引所までを紹介します。

なお、法令上「仮想通貨」は「暗号資産」と呼称変更されていますが、今回は初心者になじみ深い「仮想通貨」という表現を用いて解説します。

積立投資は長期投資に最適

仮想通貨に限らずいえることですが、毎月コツコツ積立投資を行うと「ドルコスト平均法」が働いて平均単価が下がりやすく、リスクを抑えることができます。

例えば毎月1万円積み立てをする場合、投資対象が5000円の時は2口購入できますが、2000円に下がっていると5口購入できます。このように「高い時には少ししか買わない、安い時にたくさん買う」ということが自動的に機能することを「ドルコスト平均法」といいます。ドルコスト平均法を意識した積立で、リスクを抑えながら仮想通貨を買っていくのは初心者向けと言えます。

仮想通貨のメリットは?

「PROFIT」と書かれた積み木とコイン
【画像出典元】「stock.adobe.com/ELUTAS」

値幅が大きく、積立投資に好機に働く

株式市場の場合、一般的に1日で2~3%程度でも値動きがあると、変動が激しいとみなされますが、仮想通貨は1日に5~10%変動する日も少なくありません。この値動きが大きいという特性は見方によってはデメリットですが、積立をしていく上ではドルコスト平均法が効果的に働きやすいためメリットと言えるでしょう。

資産価値が大きく上昇する可能性がある

ビットコインをはじめとする仮想通貨は、マイニング(採掘)によって発行され、その量はあらかじめ決まっています。つまり無限ではありません。仮想通貨への需要が高まれば大幅にその価値が上昇することも期待できます。

ワンランク上の分散投資になる

投資の原則の一つとして、株や債券、不動産や金(ゴールド)など、さまざまな資産に分散することが重要と言われています。攻めの株式と守りの債券を組み合わせるのが王道とされ、インフレ対策には不動産、戦争・紛争などの有事に備えるためには金(ゴールド)に投資するといった考え方です。

しかし、近年では金融システムの高度化・複雑化にともない、世界中の経済取引の決済手段として仮想通貨が用いられるという見方もあり、一部では既に仮想通貨での決済が行われています。仮想通貨を投資対象に組み入れておくことは、将来「お金」の価値が大きく変わるリスクへの備えにもなりそうです。

仮想通貨のデメリットは?

金利や配当がない

仮想通貨にはレンディングという仕組みがあり、保有している仮想通貨を貸し出すことで金利をもらえる場合がありますが、このレンディングは少し上級者向けの取引となります。基本的には、初めて仮想通貨の積立投資を行うなら、債券や株式のように金利や配当といった定期的な収入は無く、値上がり益のみを期待することになります。

保全面の不安

仮想通貨は法定通貨ではないため、将来、価値が無くなるという可能性もあります。また、大量の仮想通貨がハッキングされる、盗難されるといった事件も起きています。

法整備やセキュリティ強化なども進んでいますが、たとえば業者が破綻した場合に全額守られるのかどうかなど、いざという時に大事な資産がどこまで保全されるのかに関しては保証がありません。この点で、仮想通貨は預金や有価証券と比べるとやや不安要素が多いと言えるでしょう。

税率が高くなる

株式や投資信託にはNISAやiDeCoといった税金が非課税になる、あるいは有利になる制度があります。また通常の取引においても売却益は原則20.315%の税率で分離課税となります。

一方、仮想通貨で得た利益は、雑所得として総合課税の対象となります。総合課税とは給与などと合算し、その所得金額に応じて税率が適用される方法です。所得税の最高税率は45%のため、大幅な利益が生じた場合は、利益の半分近くを税金として納めなければならない可能性もあります。

ビットコインの積立に対応した取引所は?

スマホでビットコインの取引
【画像出典元】「stock.adobe.com/Murrstock」

それでは、ビットコインの積立投資ができる主な取引所と特徴を見てみましょう。

Coincheck(コインチェック)

仮想通貨大手業者の1つ。取扱い通貨の種類も豊富で、積立投資以外の取引も行いたい場合に利用しやすい取引所です。
・主なサービス:Coincheckつみたて
・積立金額:1万円~
・積立手数料:無料
・買付設定:毎日・毎月
・取り扱い通貨:16種類(※2022年6月時点)

bitFlyer(ビットフライヤー)

bitFlyerの「かんたん積立」は、1円から積み立てを始めることができ、積立頻度も自由度が高いサービス。初心者にとって始めやすい取引所です。
・主なサービス:かんたん積立
・積立金額:1円~
・積立手数料:無料
・買付設定:毎日1回・毎週1回・毎月2回・毎月1回
・取り扱い通貨:15種類(※2022年6月時点)

GMOコイン

売買からレバレッジ取引まで、スマートフォンのアプリ内ですべて完結。最短10分で口座開設ができると謳うスピーディさも特徴です。
・主なサービス:つみたて暗号資産
・積立金額:500円~
・積立手数料:無料
・買付設定:毎日・毎月
・取り扱い通貨:18種類(※2022年6月時点)

各取引所いずれも積立手数料は無料ですが 、FX(外国為替証拠金取引)と同じように、買う時と売る時のレートに開き(スプレッド)があります。さらに入金や出金の際の手数料も、各取引所によって異なります。基本的に口座開設は無料のため、複数の口座を開設して、実際に操作しながら自分に一番適した方法で積立を開始してみるのもいいでしょう。

まずは行動に移すことが大切

日本人の金融資産の大半は預貯金で、投資に対して保守的であるという指摘は多くなされています。仮想通貨に興味はあるけれど、ギャンブル的な感じがして何となく怖くて始められない。そう感じる人も少なくないはずです。

ただし、今回取り上げた仮想通貨の取引は1円から始めることもできます。さらに、時間を分散して投資することでリスクも抑えられます。

「最悪、半分になってもいい。無価値になっても生活には影響しない」それくらいの気持ちで、そして初めは低い金額で、半年から1年程度継続してみてください。「しっかり理解してから始めよう」という考え方も大切ですが、実際にお金を投じることで、より真剣に向き合うことができ、理解度も高まりますよ。仮想通貨の積立を始めたという経験値自体が「財産」になります。検討中の方はぜひ一歩踏み出してみてください。

※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。