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副業の確定申告は絶対必要?しなくてもいい基準とは?

ふやす 白浜 仁子

副業の確定申告は絶対必要?しなくてもいい基準とは?

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今、副業をする会社員の方が増えています。副業をするときに知っておきたいのは税金のこと。今回は、副業をする際に、確定申告が必要な場合としなくても良い場合の違い、確定申告の方法と手順、確定申告が必要なのに申告しなかった場合の罰則などについて見ていきます。

そもそも副業とは

「副業」とは本業以外にも仕事をして収入を得ることをいいます。例えば、ネットでの物販や、土日を使ったコンビニでのアルバイト、引っ越しシーズンに短期で手伝いをするなどです。また、似た表現に「兼業」がありますが、こちらは副業のような補助的な収入ではなく、本業と同じくらいの位置付けで自らが事業を行い大きな責任を伴うものをいいます。兼業に比べると副業はいつでも辞められるような、そこまで責任が大きなものではない仕事だと理解すると良いでしょう。

副業をする人が増えてるって本当?

人口の減少が続く日本では、現役世代の働き手が徐々に減少しています。そのため経済対策として、定年の引き上げや、定年後も就業を希望する社員の再雇用など法整備が進んでおり、それと同時に企業が副業を認めるという動きも出てきています。これは、2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を示したことがきっかけとなっています。

実際に副業者数は年々増えており、総務省が公表する「令和4年就業構造基本調査」によると、副業者数は、2012年が約215万人、2017年が約245万人と微増でしたが、ガイドライン公表後の2022年は約305万人と大きく増えています。更に副業希望者数でみると2012年が約341万人、2017年が約400万人、2022年が493万人とこちらの増え方の方が顕著で関心の高さが伺えます。今後は企業の環境整備が進み更に副業人口が拡大するといえそうです。

副業したら確定申告が必要?

所得がある人は、確定申告をする必要があります。
通常、会社員は、勤め先が所得税や住民税を天引きして納め、年末調整をしてくれるため通常は確定申告の必要はありません。ですが、副収入があると勤め先がその人の収入をすべて把握できず正しい税金を計算することができないため、その場合は自分で確定申告をしなければならなくなります。

勤め先以外の給与収入が「20万円以下」なら確定申告は不要

選択に悩む人
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とはいえ、副業をしていても確定申告をしなくて良いケースもあります。それは、「勤め先の給与以外の所得が20万円以下」の場合です。20万円くらいなら税金は大目に見ますというような感じです。

なお所得とは、収入からその収入を得るために掛かった経費を差し引いたものをいいます。例えば、エコバッグを作ってネット販売したという場合は、エコバッグの売り上げから作成に掛かった布や糸などの材料代、また、作成のために講座を受けたという場合はその費用や移動の交通費も経費になります。

注意が必要なのは、例えば医療費が多く掛かって医療費控除を受けるために確定申告をするというような場合です。確定申告をするのであれば、副業の所得が20万以下であっても、副業分もすべて申告する義務があります。

確定申告の方法・手順

確定申告は、年明け2月16日~3月15日の間に管轄の税務署に提出します。書類は、税務署でももらえますが、国税庁HPから印刷して使うこともできます。

さらに「確定申告書等作成コーナー」というWebサイトを利用すると、手順にそって申告内容を入力でき、税額も自動で計算されるため不慣れな人でもスムーズに申告することができます。出来上がった申告書を印刷して税務署に持参、または郵送します。また、副業が継続的に続くならWebですべて完結するe-TAXを利用するのも良いでしょう。

国税庁「確定申告書等作成コーナー」

確定申告をしなかったらどうなるの?

鎖を手に巻かれたビジネスマン
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税金の申告や納付は法律で定められた国民の義務です。もし、申告をしなかったら法律違反となり犯罪となります。発覚した場合は罰則として延滞税が掛かり、悪質と判断されるとさらに負担が多い重加算税が課せられます。

また、確定申告は、税金を納めなければならないというイメージが強いですが、申告をすることで税金が戻ってくることもあります。例えば、副業先で源泉徴収されているケースです。確定申告をすることで本業の収入とあわせてもう一度正しい税額を計算するため、場合によっては還付に繋がることもあります。

筆者も相談業務を通じて、副業をしたいという方や実際にしているという方のお話を伺う機会が増えました。スタンスはそれぞれで、本業の補填的な位置付けで考えている方や、起業をするための最初のステップとして副業からスタートするという方もおられます。いずれにしても確定申告についての知識は必要なので、しっかり確認しておきたいものですね。

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