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子供が生まれたら保険は見直すべき?まず確認したい3つのポイント

そなえる 内山 貴博

子供が生まれたら保険は見直すべき?まず確認したい3つのポイント

【画像出典元】「aslysun/Shutterstock.com」

今回は子供の出産を機に保険の見直しを検討している30代女性Aさんからの相談にお答えします。夫は会社員、Aさんは現在専業主婦で、誕生したばかりの子供と3人家族です。

30代女性Aさんの相談内容

待望の第1子が生まれました。生命保険や死亡保険など保険の見直しって必要でしょうか。見直すとしたら、どれくらいの保険が妥当でしょうか?(Aさん30代女性)

子供が生まれると、親としての自覚も芽生え、「この子のために」とお金のことを真剣に見つめなおす人が多いです。とても良いことだと思います。特に保険については保険料を払いすぎると家計が苦しくなるし、保障が少ないと心配が増えるといった具合に悩ましいところです。子供が生まれた現状と今後について考えてみましょう。

子供がいる場合といない場合の経済的な影響を考えましょう

親子
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まずは子供の有無によって経済的な影響をプラス面とマイナス面に分けてみたいと思います。あくまで「経済的な観点」です。

マイナス

プラス

・生活費が増える

・学費の準備が必要

・万が一の場合の保障が増える

・遺族基礎年金の対象となる

・児童手当をもらうことができる

・税負担軽減(16歳以上)

※一般的なケースです

毎月の支出がいくらになるのか、どんなリスクがあるのかを洗い出す

まずは子供ができたことで、さまざまな支出が伴う「マイナス面」に目を向けなければなりません。食費などの生活費は子供が小さい間は急増することはありませんが、徐々に増えていきます。そして当然、学費の準備も必要です。通常、公立だとそれほど学費はかからないといわれますが、部活やクラブなどに入部すると、用具をはじめとした部活動費がそれなりに必要となります。

また小学校や中学校から私立の場合は月額10万円程度の教育費を見ておいた方がいいでしょう。入学のための塾費用なども「大きな負担になる」と言う人も少なくありません。

そして、お父さんやお母さんが元気で仕事や家事に従事できればいいのですが、そうではないケースも想定されます。もしもの事故や病気で死亡、長期入院などとなった場合は上記支出を貯蓄か保険で賄うことになります。特に30代夫婦で貯蓄が少ない場合はこれらのリスクに対応する保険に入っておくと安心です。夫婦2人の時に比べ、死亡保障額を増やすといった見直しを行うのが一般的です。

「遺族基礎年金」を確認して保障内容の検討を

子供が生まれると、何かと夫婦2人の時よりも支出が増え、貯蓄の必要性も高まり、家計のやりくりが大変になるかもしれませんが、大きなメリットもあります。それは「遺族基礎年金」です。

年金には国民共通の国民年金(基礎年金)と会社員や公務員を対象とした厚生年金があります。そして年金は老後だけのものではなく、加入者が亡くなった際も、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」という2つの年金が機能しますが、前者の「遺族基礎年金」は子供のいない夫婦は対象外となります。

子供が生まれたことで「遺族基礎年金」の対象となり、万が一夫が亡くなった場合、およそ年額100万円の遺族基礎年金を子供が高校を卒業するまで受給することができます。教育方針にもよりますが、子供が高校を卒業するまでの「一家の主の死亡リスク」はある程度カバーできることになります。

Aさんの夫は会社員であるため、遺族厚生年金も受給できます。金額は夫の給料や勤続年数によって変わってきますが、こういった公的保障が充実していることを考慮すると、死亡保障を充実させるよりは、夫やAさんの医療・ガンといった保障を充実させた方が良いという発想になるかもしれません。

まずは保険の見直しがなぜ必要なのか、夫婦で話し合いを

生命保険
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「もしもの時の保険」であるため、何が役に立つか今の段階では全く分かりません。よって、何が一番心配で、どういった保険を優先すべきなのか、一度夫婦で話し合いをしてください。

「どれくらいの保険が妥当?」かについては、「保障額」ではなく「支払う保険料」で妥当額を見出してください。掛け捨て・貯蓄性の保険とタイプはさまざまですが、「今、いくらぐらいなら保険料は払える。これくらいなら大きな負担にならない。」という金額の範囲内で、効果的な保険プランを組んでください。

「妥当額」を考えることは、今後の子供の教育方針、2人目が欲しいのかどうかといった具体的な話をすることにもつながります。保険を重視するあまり、貯蓄ができていないという状況は避けたいもの。いざという時に貯蓄があることも重要です。

保険の話をきっかけに、子供のことはもちろん、家計全体や家族の将来についても向き合う機会にしてくださいね。