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その火災保険、そのまま更新して大丈夫?5つの見直しポイントは

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その火災保険、そのまま更新して大丈夫?5つの見直しポイントは

【画像出典元】「 22091967- stock.adobe.com」

いつ自分の身に起こるか分からない住宅火災。万が一のときのために入る火災保険は必須であるものの、よくわからないまま勧められたものを契約しているという方も多いのでは?これから戸建ての新築や分譲マンション購入の予定がある方はもちろん、「これまでの火災保険を見直したい」という方に向けて、賢い火災保険の選び方を、5つのポイントでお伝えします。

【ポイント1】保険の対象が2種類に分かれていることを理解しよう

家を見比べる

出典元:「photoAC」

火災保険は、火事をはじめとした災害で住まいが受けた損害を補償するための保険ですが、「建物」と「家財」を別々に考えるというのが第一のポイント。建物は家そのもの、家財は家の中にある家具や電化製品などさまざまな品物を指します。保険の目的には建物のみ・家財のみ・建物と家財の両方の3パターンあり、住まいの種類によってどれを選ぶかが変わってきます。

<持ち家(戸建)の場合>
建物も家財も自分の所有なので、両方必要です。

<持ち家(分譲マンションなど集合住宅)の場合>
家財に加えて、建物のうち自分の専有部分のみ保険が必要です。

<賃貸の場合>
建物は自分の所有ではないので、家財のみ入ればOKです。

【ポイント2】火災だけじゃない!災害の範囲が適切か確認してみよう

雨

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火災保険では、火事だけではなくその他の災害も補償の対象となっている場合があります。

<補償対象となる災害の例>
火災・落雷・爆発・破裂・風災・雹災・雪災・水濡れ・水災・落下・飛来・衝突・騒じょう・破損・汚損・盗難

上記のうち火災はすべての火災保険で対象となっていますし、落雷・爆発・破裂もほとんどの火災保険で基本補償の範囲内となっています。それ以外の災害はプランやパッケージによってセットになっていたり、特約によって追加したり外したりできる場合もあります。
ただし、地震を原因とする損害については火災保険で補償されないことが多いので、別途地震保険の検討が必要になる場合があります。

例えば、洪水などによって家が浸水して被害を受ける「水災」は、地域や立地条件によっては補償対象から外して構わないケースもあります。一部の災害を外すことで保険料を抑えることができますが、外しすぎてしまうと本来の保険の意味を果たさなくなってしまうので注意が必要です。

【ポイント3】補償額の決め方を理解して、ベストな設定にしておこう

ファミリー

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実際に災害が発生して損害を受けた場合に支払われる保険金額は、建物・家財のそれぞれであらかじめ設定されます。

建物の補償額の決定方法には、「新価」と「時価」の2種類があります。新価は保険をかける建物と同じものを再建するのに必要な金額、時価は新価から経過年数による建物の消耗分を差し引いた金額です。ポイントは新価で補償額を決定する保険を選択すること・そして新価の全額が補償される「全部保険」に設定しておくことです。新価よりも保険金額を低く設定することを「一部保険」といい、これでは損害額の一部しか支払われないため再建が難しくなります。また高く設定することを「超過保険」といいますが、この場合でも支払われるのは新価が限度となるため、無駄に高い保険料を払ったことになってしまいます。

家財の補償額は、世帯の人数や家族構成を元におおよその金額を決定することが一般的ですが、家財が一般に比べてあまり多くないご家庭もあるでしょうし、何年も前に契約したときには家族が4人だったけれども子どもが独立して2人暮らしになったという場合もあります。自分で補償額を増減することが可能な家財保険は、定期的に見直すことで過不足を無くすことができます。

【ポイント4】契約期間は長いほうがいい?短いほうがいい?

保険

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最後のポイントは保険の契約期間です。火災保険には、1年単位の短期契約以外に、3年・5年・10年といった長期契約があります(最長10年)。長期になるほど割引がきいて保険料が安くなりますし、毎年継続する手間もありません。

ただし、長期契約にした場合、内容見直しのタイミングを失う・契約内容を忘れがち・一括払いの場合は一時的にまとまった金額が必要などのデメリットがあることも認識しておきましょう。
 

【ポイント5】保険会社やプランによって違うその他の比較ポイントとは?

鍵

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保険の目的や保障の範囲・補償額以外の比較ポイントとしては以下のようなものがあります。

<その他の比較ポイント>
・費用保険金
建物、家財が受けた損害に対して支払われるお金とは別に、片付け費用やホテル宿泊費、仮住まいの費用など、さまざまに発生する費用に対して支払われる保険金です。オプションで付けられる場合や、最初からセットになっている場合があります。

・免責、自己負担額
損害が発生した際に、あらかじめ決めておいた金額は自分で負担するという契約が免責、その金額が自己負担額です。免責を設定することにより保険料を抑えることができますが、災害時に負担とならないよう慎重に設定しましょう。

・付帯サービス
水道やトイレ、鍵など住まいのトラブルに24時間対応してくれるサービスが付帯している場合もあります。

これらは保険会社やプランなどによって内容が異なります。また、火災保険以外の自動車保険などでまかなわれている特約や付帯サービスがあることもあります。不要なものがないか見極めることも必要です。

 以上、5つのポイントを押さえた選び方を知っておくことで、補償金額を適切したり、必要のない補償を削除するなど自分の家族や環境、暮らし方に合わせた火災保険に設定することができます。長い間保険証券を見ていないという方も、一度見直してみてはいかがでしょうか?